世界の教育|フランスの教育と島の魂が出会う場所!インド洋の楽園レユニオンの教室が教える「生きる力」

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教育制度の特徴

インド洋に浮かぶ美しい島、レユニオン。実はこの島はフランスの一部(海外県)です。そのため、教育の仕組みは基本的にフランス本国と同じものが採用されています。

  • 義務教育 6歳から16歳までの10年間が義務教育です。
  • 学校の種類
    • 幼稚園 (École maternelle) 3歳から通うことができます。遊びを通して学ぶことを大切にしています。
    • 小学校 (École élémentaire) 6歳から5年間です。
    • 中学校 (Collège) 11歳から4年間通います。
    • 高校 (Lycée) 15歳から3年間。普通科、技術科、職業科などに分かれ、専門的な知識を学びます。
  • 学年の区切り 日本が4月始まりなのに対し、レユニオン(フランス)は9月に新学年が始まり、翌年の6月までが1学年となります。

一番の特徴は、遠く離れた島でありながら、フランス本土の子供たちと全く同じ内容を学び、同じ卒業資格(バカロレア)を目指す点です。

教育方法

レユニオンの教育方法もフランス式です。特徴的なのは、ただ知識を覚えるだけでなく、「なぜそうなるのか?」を自分の頭で考え、言葉で説明したり、文章で表現したりする力がとても重視されることです。

授業では、先生が生徒に質問を投げかけ、生徒同士で議論(ディスカッション)する場面が多く見られます。自分の意見をしっかりと持ち、それを論理的に相手に伝える練習を小学生の頃から積み重ねていきます。

また、家庭ではフランス語の他に「レユニオン・クレオール語」という独自の言葉が話されることが多くあります。学校の授業はフランス語で行われるため、子供たちは2つの言葉を使い分けながら学んでいますが、このクレオール語を教育にどう活かしていくかが、レユニオンならではのテーマにもなっています。

教育への取り組みや支援

フランス政府は、レユニオンの子供たちがしっかりと学べるように、様々な支援を行っています。

  • 経済的な支援 レユニオンはフランスの中でも比較的、貧困率が高い地域です。そのため、新学期に必要な文房具や教材を買うための手当(新学期手当)が支給されたり、家庭の収入に応じて給食費や奨学金が支援されたりする制度が整っています。
  • 教育優先地域 (REP/REP+) 学習環境に特に困難を抱える学校を「教育優先地域」に指定し、先生の数を増やしたり、予算を多く配分したりして、集中的なサポートを行っています。
  • デジタル教育の推進 インターネットを通じて宿題を提出したり、先生や友達と連絡を取り合ったりできるデジタル学習ツール(ENT)の導入が進められており、離島という地理的なハンデを乗り越えるための取り組みも活発です。

子供達の1日の過ごし方

レユニオンの子供たちの学校生活は、日本とは少し違います。

  • 登校と授業 朝は8時頃に授業が始まり、お昼には2時間ほどの長い休憩があります。この時間に家に帰って家族と昼食をとる子も少なくありません。
  • 水曜日は半日 週の真ん中の水曜日は、午前中だけで授業が終わります。
  • 放課後の過ごし方 午後は、スポーツクラブや音楽、ダンスなどの習い事(アソシエーションと呼ばれる地域の活動)に参加する子が多いです。サッカーやハンドボールが人気で、ハイキングやサーフィンなど、レユニオンの豊かな自然を活かした活動も盛んです。もちろん、家に帰って宿題をしたり、友達と遊んだりして過ごす時間も大切にされています。

火山活動が活発な島であるため、噴火に関する防災教育も学校で定期的に行われています。

教育と社会の関係

フランス社会では、どのような教育を受け、どのような資格(特に高校卒業資格のバカロレア)を取得したかが、将来の仕事や社会的地位に大きく影響します。これはレユニオンでも同じで、良い教育を受けることは、若者が将来の夢を叶えるための重要なステップと考えられています。

しかし、レユニオンはフランス本国に比べて失業率、特に若者の失業率が高いという社会的な課題を抱えています。そのため、子供たちが島で将来活躍できるよう、観光業や農業、再生可能エネルギーといった地域の産業と結びついた職業教育にも力が入れられています。

教育は、単に知識を学ぶ場であるだけでなく、島の未来を担う人材を育て、社会的な課題を解決していくための大切な基盤となっているのです。

国が抱える教育の課題と未来

      フランスの一部として高い水準の教育が提供されている一方で、レユニオンならではの課題も存在します。

      • 学習格差とドロップアウト 家庭環境や、フランス語を第一言語としないことなどが原因で、授業についていけなくなる子供たちがいます。学校を途中でやめてしまう(ドロップアウト)若者の比率が、フランス本国よりも高いことが問題となっています。
      • 地理的な制約 離島であるため、高度な医療や研究など、専門的な分野を学ぶためにはフランス本国に渡る必要があります。優秀な若者が島を離れてしまい、そのまま戻ってこない「人材流出」も課題の一つです。
      • 言語の問題 家庭で話されるクレオール語と、学校で使われるフランス語の間に壁を感じる子供たちが、学習の初期段階でつまずいてしまうことがあります。

      これらの課題に対し、政府や学校は、個別指導の充実や、地域の文化や言語を尊重した教育プログラムの開発、IT技術を活用した遠隔教育の導入などを進めています。島の子供たち一人ひとりが、自分の持つ可能性を最大限に発揮できるような未来を目指しています。

        教育と文化や価値観の関係

        議論を恐れず、自分の意見を大切にする文化

        フランス式の教育は、自分の意見を論理的に主張し、相手と議論することを重視します。このためレユニオンの人々は、年齢や立場に関係なく、活発に意見を交わすことに慣れています。家族との食事の場や友人との集まりでも、社会問題から身近な話題まで、様々なテーマで議論が繰り広げられます。これは、他人の意見に流されず、自分の考えをしっかり持つことを尊重する価値観に繋がっています。

        2つの言語が育む「しなやかなアイデンティティ」

        多くの子供たちが家庭ではレユニオン・クレオール語を、学校ではフランス語をと、2つの言語を日常的に使い分けています。これにより、彼らは「フランス国民」であると同時に、豊かな自然と独自の歴史を持つ「レユニオン人」であるという、二重のアイデンティティを自然に身につけます。この言語環境が、異なる文化や状況に柔軟に対応できる、しなやかな感性を育んでいます。

        多様性を受け入れる「メティサージュ(混血)」の心

        レユニオンは、アフリカ、インド、中国、ヨーロッパなど、世界中の様々な地域にルーツを持つ人々が共に暮らす社会です。学校の教室は、まさに「小さな地球」。子供たちは幼い頃から、肌の色や宗教、文化が違う友達と当たり前のように学び、遊びます。この日常が、違いを乗り越えてお互いを尊重し、助け合う「共存」の精神を育み、レユニオンならではの平和で寛容な文化の基盤となっています。

        厳しい環境で培われる「なんとかなる!の精神(Débrouillardise)」

        レユニオンは若者の失業率が高いという社会課題を抱えています。そのため、「良い学校を出れば安心」とは限りません。このような環境が、学校で学んだ知識を応用し、無いものねだりするのではなく、今あるもので工夫して道を切り拓く「デブルイヤルディーズ(やりくりする力)」と呼ばれるたくましさを育んでいます。小さな商売を始めたり、複数の仕事を掛け持ったりする人々のバイタリティは、この精神の現れです。

        まとめ

        インド洋の楽園レユニオンの教育は、フランスのしっかりとした制度を土台としながらも、クレオール文化という独自のアイデンティティや、高い失業率、離島ならではの課題といった現実の中で、未来を切り拓こうとしています。

        日本とは違う学校の時間割や、2つの言葉が飛び交う環境、そして社会が抱える課題に教育がどう向き合っているかを知ることは、私たちの当たり前を見つめ直すきっかけになります。世界には本当に多様な学びの形があることを、レユニオンの子供たちの姿は教えてくれます。この自由研究が、あなたの視野を広げる旅の始まりとなれば嬉しいです。

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