世界の教育｜未来を育む学びのチカラ、タンザニア教育が紡ぐ共生と誇りのストーリー

INDEX

教育制度の特徴

タンザニアの教育制度は、2016年の義務教育拡大政策以降、「就学前教育１年＋初等教育７年＋前期中等教育４年＋後期中等教育２年」のシステムで構成されています。小学校は７歳から開始し、標準的には13歳で終了。中等教育は前期・後期の２段階に分かれ、合計６年間学びます。公立学校の初等・中等教育は無料化が進められ、教育へのアクセス向上が図られています。引用元Opportunity International Edufinance ウィキペディア

教育方法

授業は主に講義形式ですが、グループワークや実験・演習を取り入れる学校もあります。公教育ではスワヒリ語を、私立校では英語を母語として指導。近年はICT（情報通信技術）科目が正式カリキュラムに加わり、教員研修でもデジタル機器の活用法が教えられています。また、農村部では「コミュニティ・ベースド・ラーニング」と呼ばれる、地域資源を活用した体験学習が行われることもあります。引用元ウィキペディア

教育への取り組みや支援

政府の無料教育政策　2016年に「初等・中等教育無償化」を実施し、教科書・制服を無償提供。
国際機関の支援　UNESCOが学校インフラ整備や教員トレーニングを支援し、入学率・修了率向上を後押ししています。引用元ユネスコ
NGO・地域活動　UNICEFなどが給食プログラムや奨学金事業を実施し、特に女児や貧困層の就学をサポート。
成人識字教育　非正規教育として成人向け読み書き講座を全国で展開し、学び直しの機会を提供しています。

子供達の1日の過ごし方

登校と朝礼（7:00–7:30）朝の国歌斉唱と体操で一日をスタート。
午前の授業（7:30–12:00）国語（スワヒリ語）、算数、理科など５〜６教科。
昼休み・給食（12:00–13:00）給食を通じて栄養改善にも取り組む地域あり。
午後の授業（13:00–15:30）社会・ICT・体育など多彩な科目を学ぶ。
下校後の活動（15:30以降）家庭の農作業や家事を手伝う子も多く、夜は宿題や補習に励みます。

教育と社会の関係

教育は貧困削減や公衆衛生向上に直結します。修了率向上が就職機会を増やし、生活水準の改善へとつながるため、国民の社会的移動（ソーシャルモビリティ）の鍵とされています。また、女子教育の推進はジェンダー平等を促進し、早期結婚や妊娠の抑制にも効果があります。これら全てが持続可能な社会づくりに寄与しています。

国が抱える教育の課題と未来

教師不足・質の向上　特に農村部で教員数が足りず、多くのクラスで1人の教師が100名以上を担当することもあります。
インフラ未整備　教室やトイレ、水道設備が不十分な学校が多く、通学環境の改善が急務です。
学習成果の格差　入学率は高いものの、学習到達度は地域・家庭環境で大きな差があり、基礎学力向上が求められています。
未来展望　デジタル教材の普及や、企業・NPOとの連携による職業教育（TVET）の強化が進行中で、2030年までに「質の高い教育をすべての子どもに」というSDG4の達成を目指しています。引用元ユネスコ

教育と文化や価値観の関係

ウジャマー（共生）の精神

農村部のコミュニティ・ベースド・ラーニングでは、近隣住民が協力して学習活動を支え合うことで、「みんなで助け合う」というウジャマーの価値観が日常的に育まれています。

スワヒリ語によるアイデンティティ形成

初等教育でスワヒリ語を共通語として学ぶことで、部族や地域を越えた一体感が強まり、国民としての連帯感や自尊心が育っています。

口承文化と物語を活かした授業

伝統的な歌や説話を授業の題材に取り入れ、言語学習や歴史学習に活用。昔話を通じて先祖の知恵や地域の伝統が自然に継承されています。

実践的技能と生活文化の融合

家庭科や職業教育（TVET）で、地元の農業技術や手工芸を学ぶことで、生活と深く結びついた技術・文化が若い世代に伝わっています。

ジェンダー平等への意識醸成

女子の就学奨励プログラムにより、家事や育児が女性だけの役割ではないという価値観が広がり、家庭内外での役割分担やキャリア選択の自由度が高まっています。

まとめ

タンザニアの教育は「量」から「質」への転換期を迎えています。無償化やカリキュラム改革でアクセスは大幅に改善しましたが、学習成果の均質化やインフラ整備といった課題も残ります。しかし、国際協力とICT導入の加速によって、すべての子どもが質の高い学びに触れる未来が見えてきました。自由研究では、地域の学校を訪ねたり、学習環境の違いを比較することで、グローバルな教育課題を身近に感じることができるでしょう。

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