自由研究593|学校や家庭での机や椅子の高さ/姿勢と集中力の関係を測定して、最適な学習環境を提案しよう

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今回のテーマ

    「学校や家庭での机や椅子の高さ/姿勢と集中力の関係を測定して、最適な学習環境を提案してみよう」

    皆さんは、勉強している時に「肩がこる」「すぐに疲れてしまう」「集中できない」と感じることはありませんか?それは、あなたのやる気の問題ではなく、使っている机や椅子の高さが体に合っていないことが原因かもしれません。 この自由研究では、自分の体のサイズ(身長や座高など)と、今使っている机や椅子の高さを測定し、それらが「集中力」や「疲れ」にどう関係しているかを実験します。そして、データをもとにして、自分にとって一番勉強がはかどる「最強の学習環境」を提案することを目指します。

    自由研究の目的

    どうして学校や家庭での机や椅子の高さ/姿勢と集中力の関係を測定して、最適な学習環境を提案してみるの?

    この研究を通じて学ぶのは「人間工学(エルゴノミクス)」という考え方です。これは、道具や環境を人間の自然な動きや体の形に合わせて使いやすくしようとする科学です。 無理な姿勢で長時間座り続けることは、背骨が曲がるなどの体の不調につながるだけでなく、脳への血流が悪くなり、学習効率を大きく下げてしまいます。「自分に合った環境を整えること」は、将来大人になって仕事をする時にも、健康を守り、高いパフォーマンスを発揮するために非常に重要なスキルになります。

    自由研究のゴール

    この研究を通じて、以下のような力を身につけることが目標です

    • レベル1 自分の体のサイズと家具のサイズを測り、理想の数値とどれくらいズレているかを知る。
    • レベル2 高さを変えたり、姿勢を変えたりして計算ドリルや読書を行い、集中力(時間や正解数)の違いをデータで証明する。
    • レベル3 家にあるものを使ってズレを調整し、実際に使いやすい環境をDIYで作り上げる。

      合わない環境で起こる事例

          • ケースA 椅子が高すぎて足がブラブラしている
            足の裏が床についていないと、体は不安定になります。無意識にバランスを取ろうとして余計な筋肉を使うため、すぐに疲れてしまいます。また、太ももの裏が圧迫されて血流が悪くなり、足のむくみや集中力低下につながります。
          • ケースB 机が低すぎて背中が丸まる
            机が低すぎると、ノートに目を近づけようとして「猫背」になります。重たい頭を首だけで支えることになるため、首や肩が痛くなります。また、胸が圧迫されて呼吸が浅くなり、脳に酸素がいきわたりにくくなって眠くなる原因になります。

              研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!

                      この研究で最も重要なポイントは、「直角(90度)」と「接地」です。一般的に理想とされる姿勢には以下の基準があります。

                      1. 足の裏 かかとまでしっかりと床についているか?
                      2. ひざ 90度くらいに曲がっているか?
                      3. ひじ 机の上に腕を置いた時、ひじの角度が90度以上になっているか?
                      4. 目線 まっすぐ前を見た時、モニターや本の位置が自然な高さにあるか?

                      これらのポイントを基準にして、現状がどうなっているかをチェックすることがスタート地点です。

                      自由研究の進め方

                      ステップ1 測定する

                      メジャーを使って、自分の体の各部位(ひざ下の長さ、座高など)と、机・椅子の高さを測ります。

                      ステップ2 仮説を立てる

                      「今の椅子は高すぎるから、足元に台を置いたほうが計算が速くなるはずだ」といった予想(仮説)を立てます。

                      ステップ3 実験する(比較実験)

                      同じ難易度の計算プリントや漢字練習を2セット用意します。

                      • 1回目 いつもの姿勢・環境で行う。
                      • 2回目 雑誌を足の下に敷いて高さを調節したり、クッションで座面の高さを変えたりして、理想の姿勢で行う。 それぞれの「かかった時間」「正解数」「疲れ具合(感想)」を記録します。

                      ステップ4 分析する

                      結果をグラフにして比較します。環境を変えたことで数字にどんな変化があったかを考察します。

                      自由研究から発見したアイデア

                      • 「牛乳パック・フットレスト」の制作
                        椅子が高すぎる人のために、牛乳パックに新聞紙を詰めてガムテープで固定し、足置き(フットレスト)を作る。高さを自由に変えられる工夫をする。
                      • 「集中力アップ傾斜台」の提案
                        机が平らだとどうしても猫背になりがちです。そこで、板や空き箱を使って、教科書やノートを置く面に10度〜15度の傾斜をつける台を作ってみる。これにより目線が上がり、姿勢が良くなるか検証する。
                      • 「スタンディング学習」の導入
                        座りっぱなしを防ぐため、ダンボール箱を机の上に置いて、立って勉強する時間を作る提案。

                      この自由研究に関連する仕事

                      • オフィス家具デザイナー  働きやすく、体が痛くならない椅子や机を設計・デザインする仕事。
                      • 人間工学(エルゴノミクス)研究員  人の体の動きや心理を研究し、使いやすい道具や環境を科学的に分析する仕事。
                      • 作業療法士・理学療法士  体の構造を深く理解し、病気や怪我をした人が日常生活を送りやすくするためのリハビリや環境調整を行う医療のプロフェッショナル。
                      • インテリアコーディネーター  部屋全体のバランスを見ながら、快適で美しい住空間を提案する仕事。

                      まとめ

                      「集中力がない」と悩んでいたのは、実はあなたのせいではなく、椅子や机の高さのせいだったかもしれません。 この自由研究は、単に長さを測るだけではありません。自分の体を守り、能力を最大限に引き出すための「環境」を自分で作り出すプロジェクトです。 ほんの数センチメートルの違いが、結果を大きく変える面白さをぜひ体験してください。そして、完成したレポートをもとに、お家の勉強机を「コックピット」のように自分仕様に改造してみましょう!

                             

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                            • テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
                            • 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。

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