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今回のテーマ
「家庭で使用する冷蔵庫・冷凍庫の温度・消費電力・食品の鮮度を記録して、最適な設定を探ってみよう」
私たちの家の中で、24時間365日休まず働き続けている家電があります。それは「冷蔵庫」です。 普段何気なく使っていますが、冷蔵庫の設定温度「強・中・弱」を意識して切り替えている人は意外と少ないかもしれません。
この自由研究では、冷蔵庫と冷凍庫の「庫内温度」「消費電力（電気代）」「食品の鮮度」という3つの要素を記録・観察します。 「設定を弱にすれば電気代は下がるけれど、食品は痛みやすくなるのでは？」 「詰め込みすぎると電気代はどう変わる？」 といった疑問を実験を通して検証し、環境にも家計にも、そして食品のおいしさにもベストな「我が家の最適設定」を見つけ出すことがテーマです。
自由研究の目的
この研究を通して学ぶことは、単なる家電の使い方だけではありません。現代社会が抱える大きな課題とつながっています。
- エネルギーと環境問題（SDGs） 冷蔵庫は家庭の消費電力の中でも大きな割合を占めます。無駄な電気を使わないことは、CO2削減や地球温暖化防止につながります。
- 食品ロス（フードロス）の削減 適切な温度管理ができていないと、食べ物がすぐに傷んで捨ててしまうことになります。鮮度を保つ仕組みを知ることは、食料資源を大切にすることにつながります。
- データ分析の基礎 温度や電力という「数値」と、食品の変化という「観察結果」を照らし合わせて考えることで、論理的な思考力が身につきます。
自由研究のゴール
- レベル1 現状を知る 今の設定で何度になっているか、どれくらい電気を使っているかを正確に記録できる。
- レベル2 相関関係を見つける 「ドアを10秒開けると、温度が○度上がり、元の温度に戻るのに○分かかる」といった、行動と結果の関係性を発見する。
- レベル3 最適なバランスの提案 「夏場はこの設定、冬場はこの設定」「この食材はここに入れる」といった、電気代を抑えつつ鮮度を最高に保つための「我が家の冷蔵庫運用マニュアル」を完成させること。
実際の実験事例
- 事例A 「強・中・弱」対決 設定を切り替えたとき、消費電力（ワット数）と実際の庫内温度はどれくらい変わるでしょうか？ 1日ごとに設定を変えて記録します。
- 事例B ドア開閉実験 冷蔵庫のドアを「5秒開けたとき」と「15秒開けたとき」で、庫内の温度がどう変化するか、また元の温度に戻るまでどれくらい電力が上がるかを測ります。
- 事例C パンパン vs スカスカ 冷蔵庫の中に水を入れたペットボトルをたくさん詰めて「満タン」にした状態と、中身が少ない「スカスカ」の状態。どちらが温度を保ちやすく、電力がかからないか比較します（※冷蔵庫と冷凍庫で結果が逆になるかもしれません！）。
- 事例D 野菜の鮮度チェック 同じ野菜（レタスやほうれん草など）を、冷蔵室、野菜室、チルドルームなど異なる場所に置いて、数日後のしなしな具合（水分の抜け方）を比較します。
研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう！
- 測定ツールを準備する 温度を知るための「冷蔵庫用温度計」と、コンセントに挿して使う「ワットチェッカー（電力計）」があると、目に見えないデータが可視化できて研究の質がグッと上がります。
- 条件をそろえる 比較実験をするときは、変える条件は1つだけにします。例えば、温度設定を変える実験なら、中に入っている食品の量は同じにしておく必要があります。
- 家族の協力 実験中は「今はドアを開けないで！」というタイミングがあります。家族に協力してもらい、普段通りの生活の中でデータを取るのか、実験として特別な環境を作るのかを明確にしましょう。
自由研究の進め方
- ステップ1 仮説を立てる
「強設定にすると電気代は○円上がるけど、野菜は○日長持ちするはず」など、予想を立てます。 - ステップ2 道具の準備と設置
温度計を冷蔵庫内の数カ所（上段、下段、ドアポケット）に設置します。ワットチェッカーを電源プラグにセットします。 - ステップ3 記録開始（定点観測）
まずは今の設定のままで、朝・昼・晩の温度と、1日の積算電力量を記録します。 - ステップ4 条件変更実験
設定を「中」から「弱」に変える、カーテンをつける、詰め方を変えるなど、条件を変えて数日間記録します。 - ステップ5 食品の観察
同じ期間、傷みやすい葉物野菜や、溶けやすいアイスクリームの状態を写真に撮り、味や食感の変化をメモします。 - ステップ6 まとめと考察
集めたデータ（温度と電力）と観察結果（鮮度）をグラフや図にして比較し、一番良いバランスを見つけます。
自由研究から発見したアイデア
- 「季節別・冷蔵庫カレンダー」の作成
外気温が高い夏と低い冬では、最適な設定が異なります。「○月になったら設定を『弱』にする」というルール表を作って冷蔵庫に貼る提案。 - 「冷蔵庫内マップ」の制作
温度測定の結果、場所によって冷え方が違うことがわかります。「よく使う飲み物は手前」「しっかり冷やしたい肉はチルド室」など、食品の定位置を決めるマップを作り、家族全員が見やすく取り出しやすい（ドアを開けている時間が短い）収納術を提案。 - 「エコ・ポイント制度」
「今日はドアを開けた回数が少なかった」「すぐに閉めた」などを評価し、家族で電気代節約ゲームをする提案。
この自由研究に関連する仕事
- 家電エンジニア（開発者） より少ない電力で、よりおいしく食品を保存できる新しい冷蔵庫を開発する仕事です。
- 食品研究員・フードコーディネーター 食品の劣化を防ぐ技術を研究したり、食材の適切な管理方法を世の中に伝えたりする仕事です。
- エネルギー管理士・環境コンサルタント 工場やビルのエネルギー使用量を分析し、無駄をなくして環境に優しい運営をアドバイスする仕事です。
- データサイエンティスト たくさんの数値データを分析して、そこから有益な法則や解決策を見つけ出す仕事です。
まとめ
冷蔵庫は、私たちの生活になくてはならない存在です。しかし、ただ「冷やす」だけでなく、「どのくらいの温度で」「どれくらいのエネルギーを使って」冷やしているかを知ることで、見えなかった事実がたくさん見えてきます。
この自由研究を通して、「鮮度（おいしさ）」と「省エネ（環境への優しさ）」の両立という、とても高度で大切なバランス感覚を養うことができます。 さあ、今日から家の冷蔵庫を「研究ラボ」に変えて、最適な設定を探る探検に出かけましょう！
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう！
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。
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