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今回のテーマ
「学校や家庭で使っているプリント・ノートの紙質(厚さ・色)×書きやすさ・疲れにくさを実験してみよう」
毎日当たり前のように使っている教科書、ノート、そして学校で配られるプリント。実は、これらはすべて「同じ紙」ではありません。「学校のわら半紙(再生紙)だと、消しゴムをかけるとすぐ破れちゃう」 「ちょっと高いノートを使うと、字がきれいに書ける気がする」こんな経験はありませんか? この自由研究では、紙の「厚さ」「色」「手触り」などの違いが、文字の書きやすさや、目の疲れ、手の疲れにどう影響するのかを科学的に調査します。身近な文房具を徹底的に比べることで、自分にとって「最強の学習環境」を見つける実験です。
自由研究の目的
なぜ、たかが「紙」について調べるのでしょうか?それは、道具への理解が「パフォーマンス(成果)」を大きく変えるからです。
- 集中力の持続 紙の色や滑らかさが合っていないと、無意識のうちに目が疲れたり、余計な筆圧がかかって手が疲れたりして、勉強への集中力が落ちてしまいます。
- 科学的な比較の練習 「なんとなく書きやすい」という感覚を、「なぜ書きやすいのか?」という言葉や数値にする練習になります。これは科学的なものの見方を養う第一歩です。
- モノづくりへの視点 誰かが使いやすいように工夫して作られた製品の裏側にある「こだわり」に気づくことができます。
自由研究のゴール
- レベル1 いろいろな紙に書き比べて、自分の「書きやすさランキング」を作る。
- レベル2 紙の厚さや表面の拡大観察を行い、「なぜ書き心地が違うのか」を理由づけて説明する。
- レベル3 筆記用具(鉛筆、ボールペン、万年筆)との相性まで調べ、「科目別」や「用途別」に最適な紙を提案する。
実験に使用する比較対象例
- 学校のプリント(わら半紙・再生紙) 灰色がかっていて、表面が少しざらざらしていることが多いです。
- 学習帳・キャンパスノート 表面がツルツルしていて、白すぎないクリーム色をしているものもあります。
- コピー用紙(上質紙) 真っ白で、少しハリがあります。
- 画用紙 厚みがあり、表面に凹凸があります。
- ルーズリーフ(さらさら・しっかり) 同じメーカーでも「書き心地」を変えて売っているものを比較すると面白いです。
- 裏紙(チラシの裏) ツルツルしすぎてインクが乗らない極端な例として使えます。
研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!
- ペンを固定する 紙を変えるたびにペンを変えてはいけません。必ず「同じHBの鉛筆」や「同じボールペン」を使いましょう。
- 同じ文字を書く 「あいうえお」や自分の名前など、書く内容を統一します。
- 疲れの測定方法
- 主観評価 「5点満点で評価」など点数をつける。
- 客観評価 「1分間に何文字書けたか(スピード)」や「裏写りのしやすさ」などを測る。
自由研究の進め方
準備するもの
- 集めた紙(5種類以上あると良い)
- いつもの筆記用具
- 定規(紙の厚さを測るため、または重ねて測るため)
- 虫眼鏡やスマホの拡大鏡アプリ(表面観察用)
実験手順
- 仮説を立てる 「ツルツルしている方が書きやすいはず」「白い方が見やすいはず」など、予想を書きます。
- 紙を観察する
- 色 真っ白か、クリーム色か、灰色か。
- 手触り 指で触って「ざらざら」「つるつる」「しっとり」などを記録します。
- 厚さ 1枚だと測りにくいので、10枚重ねて定規で測り、10で割ると正確な厚さが分かります。
- 書き心地実験
- それぞれの紙に同じ文章を書きます。
- 「ひっかかり具合」「インクの乾きやすさ」「裏へのにじみ(裏抜け)」をチェックします。
- 疲れにくさ実験
- それぞれの紙に5分間、漢字練習などを続けてみます。
- 終わった後の「目の疲れ」「手の疲れ」を5段階で記録します。
自由研究から発見したアイデア
- アイデア例1「夜勉強専用ノート」
- 発見 真っ白な紙は、夜に蛍光灯の下で見ると反射が強くて目が疲れる。
- 提案 光の反射を抑えた、少し暗めのグレーや緑色の紙を使った「夜専用ノート」。
- アイデア例2「筆圧が高い人専用プリント」
- 発見 薄い紙は筆圧が強いと破れたり、裏がボコボコになる。
- 提案 画用紙のように厚手で、クッション性のある「破れないプリント用紙」。
- アイデア例3「左利き専用の紙」
- 発見 ツルツルの紙はインクの乾きが遅く、左手でこすって汚れてしまう。
- 提案 インクを瞬時に吸い込む、超速乾性の表面加工をした紙。
この自由研究に関連する仕事
- 文具メーカーの商品開発者 「書きやすさ」を追求して、新しいノートやペンを開発する人。
- 製紙会社のエンジニア 木材などの原料を配合し、目的に合った「紙」を作り出す専門家。
- エディトリアルデザイナー(本の編集・デザイン) 読みやすい文字や、目が疲れない紙を選んで本を作る人。
- 人間工学(エルゴノミクス)の研究者 人が使いやすい道具や環境を科学的に研究する人。
まとめ
いつも何気なく使っている「紙」ですが、実は厚さや色のわずかな違いが、私たちの勉強の効率や体の疲れに大きく関わっていることが分かったはずです。
「書きにくいな」と感じたら、自分のせいにするのではなく、「紙が合っていないのかも?」と道具を疑ってみる視点も大切です。この自由研究を通して、自分にとって最高のパートナーとなる「紙」を見つけてみてくださいね!
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。





