自由研究444|電力不足「電気をムダにしない工夫!おうちでできる省エネ対策」

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電気をムダにしない工夫!おうちでできる省エネ対策を考えてみよう!

電力不足とは、私たちが使いたい電気の量(需要)に対して、発電所で作れる電気の量(供給)が追いつかなくなってしまう状態のことです。特に、エアコンをたくさん使う夏の猛暑日や冬の厳しい寒さの日に起こりやすくなります。

もし本当に電気が足りなくなると、「計画停電」といって、地域ごとに時間を決めて電気を止めなければならない事態にもなりかねません。そうならないために、私たち一人ひとりが電気を大切に使い、無駄をなくす「省エネ(省エネルギー)」に取り組むことが、今とても重要になっています。この研究では、家庭でできる省エネの方法を探り、実践していきます。

どうしておうちでできる省エネ対策を考えてみるの?

「スイッチをこまめに消す」といった小さなことでも、なぜ省エネを学ぶ必要があるのでしょうか?それには、私たちの未来に関わる大切な理由があります。

  • 地球温暖化を防ぐため 日本の電気の多くは、石油や石炭、天然ガスといった「化石燃料」を燃やして作られています。この時、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)がたくさん排出されます。電気の無駄遣いを減らすことは、地球の未来を守ることに直結するのです。
  • エネルギー資源を守るため 電気を作るための化石燃料は、地球に埋まっている量に限りがある「有限な資源」です。いつかなくなってしまうかもしれない資源を、未来の世代のために大切に使っていく必要があります。
  • 家計を助けるため 電気はタダではありません。使えば使うほど電気代がかかります。省エネに取り組むことは、おうちの電気代を節約し、お父さんやお母さんを助けることにもつながります。

省エネを学ぶことは、地球環境、資源、そして自分の暮らしを守るための、とても大切な学びなのです。

自由研究のゴール

この研究を通じて、以下のような力を身につけることが目標です

    レベル1 観察力と分析力のアップ!

    • おうちの中にある電化製品や電力メーターを観察し、いつ、どこで、どれくらい電気が使われているのかを記録することで、現状を把握する力を養います。
    • 集めたデータから、電気の無駄遣いの原因を探る分析力を身につけます。

    レベル2 計画力と実践力のアップ!

    • 分析した原因に対して、「どうすれば電気の消費を減らせるか?」という具体的な省エネ計画を立てます。
    • 家族と協力して計画を実行し、やり遂げる実践力を身につけます。

    レベル3 表現力と提案力のアップ!

    • 研究の成果をグラフや表を使って分かりやすくまとめ、人に伝える表現力を養います。
    • 「わが家だけの省エネルール」を作るなど、新しいアイデアを考えて家族に提案する力を育みます。

    この研究は、ただ調べるだけでなく、実際に行動して効果を確かめる「科学的な探求」そのものです。

    取り組める具体的な例

    家庭でできる省エネは、実はたくさんあります。ここでは、すぐに取り組める具体的なアイデアを紹介します。

    リビングでの工夫 テレビの「ながら見」をやめる!

    見ていないのにつけっぱなしのテレビは電気の無駄遣いの代表格。見ないときは主電源から消しましょう。画面を少し暗く設定するだけでも省エネになります。

    エアコンの工夫 フィルター掃除と扇風機で快適に!

    • エアコンのフィルターが汚れていると、余計なパワーが必要になります。2週間に1回掃除するだけで、効率がぐんとアップします。
    • 扇風機やサーキュレーターを一緒に使い、空気を循環させると、設定温度を1〜2℃上げても快適に過ごせます。

    冷蔵庫の工夫 ものを詰め込みすぎない!

    • 冷蔵庫の中にものをパンパンに詰め込むと、冷気の通り道がなくなり、冷やすためにより多くの電気が必要になります。庫内は7割程度を目安に整理しましょう。
    • 熱いものは冷ましてから入れるのも大切なポイントです。

    家全体の工夫 待機電力をカット!

    使っていないのにコンセントにプラグが刺さっているだけで消費されるのが「待機電力」。長期で使わない家電は、スイッチ付きの電源タップを活用して、こまめにオフにしましょう。

    研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!

    この自由研究を成功させるための重要なポイントは、「電力の見える化」です。

    1. 現状把握(Before) まず、対策を始める前に、1週間、おうちの電気使用量を記録します。電力会社のウェブサイトや、毎月届く「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」で確認できます。また、家の外にある「電力メーター」の数字を毎日同じ時間にメモするのも良い方法です。これが最初のデータ(Before)になります。
    2. 原因分析 どの曜日に電気を多く使っているか、どんな家電を長く使っているかを家族で話し合ってみましょう。「ワットチェッカー」という機器を使うと、家電製品ごとの消費電力が測れて、どの家電が「電気の大食い」なのかが分かり、原因分析に役立ちます。
    3. 対策の実践  原因に合わせて、セクション4で紹介したような対策の中から、自分たちの家庭でできそうなものを選んで実践します。
    4. 効果測定(After) 省エネ対策を1週間続けた後、もう一度、同じように電気使用量を記録します。最初のデータ(Before)と、対策後のデータ(After)を比較することで、自分たちの取り組みでどれくらい電気が節約できたのかが数字でハッキリと分かります。

    この「Before→After」の比較が、研究の説得力を高める鍵となります。

    自由研究の進め方

    さあ、実際に自由研究を進めていきましょう!以下のステップを参考に、自分だけの研究計画を立ててみてください。

    ステップ1 計画を立てよう

    • 研究の目的とゴールを決める。
    • 家族に研究への協力を依頼し、「省エネ隊長」などの役割を決める。
    • 調査期間(例:対策前1週間、対策後1週間)と、電力使用量の記録方法(電力メーター、電力会社のサイトなど)を決める。
    • 記録用のノートや、必要であればワットチェッカーを準備する。

    ステップ2 調査と実践

    • 現状調査(Before)
      • 毎日決まった時間に電力メーターの数値を記録する。
      • 家族がどんな風に電気を使っているか観察し、気づいたことをメモする(例:「弟がテレビをつけっぱなしで寝ていた」など)。
    • 省エネ家族会議
      • 前半の調査結果をもとに、「わが家の電気のムダ」はどこにあるか話し合う。
      • 「わが家の省エネルール」を3つ決める。(例:「使わない家電のプラグは抜く」「エアコンの設定温度は28℃」「お風呂は間をあけずに入る」など)
    • 対策の実践と調査(After)
      • 決めたルールを家族みんなで守りながら生活し、同じように電力メーターの数値を記録する。

    ステップ3 まとめよう

    • BeforeとAfterの電気使用量を比較し、どれだけ削減できたかを計算する。棒グラフにすると分かりやすい。
    • 研究を通して分かったこと、大変だったこと、家族の変化などを文章にまとめる。
    • セクション7~9の内容を参考に、研究の結論と今後の目標を書く。
    • 模造紙やスケッチブックに見やすくまとめて、完成!

    自由研究から発見したアイデア

    研究を進める中で見えてきた課題や発見をもとに、さらに一歩進んだユニークなアイデアを考えてみましょう。

    • アイデア1 「省エネパトロール」と「イエローカード」作戦!

    家族の中で「省エネパトロール隊員」になります。つけっぱなしの電気やテレビを見つけたら、「省エネイエローカード」をそっと置いてお知らせします。ゲーム感覚で、家族みんなの省エネ意識を高める作戦です。

    • アイデア2 わが家だけの「省エネキャラクター」を作ろう!

    電気の無駄遣いが大好きな「ムダづかい怪獣」と、それをやっつける「省エネヒーロー」など、オリジナルのキャラクターを考えます。そのキャラクターが登場する4コマ漫画やポスターを描いて、家族が見る場所に貼り、楽しく省エネを呼びかけます。

    • アイデア3 「自然のエネルギー」活用デーを設けよう!

    週末の1日を「自然エネルギーデー」と決め、なるべく電気を使わずに過ごす挑戦です。昼間は照明を消して太陽の光で過ごし、夜は少し早めに寝る。テレビやゲームの代わりに、家族でボードゲームや読書を楽しむなど、電気のない生活の楽しさを再発見できるかもしれません。

    この自由研究に関連する仕事

          • 電力会社の技術者・研究者 安定して電気を各家庭に届けたり、太陽光や風力といった「再生可能エネルギー」を使った新しい発電方法を研究したりする仕事です。
          • 家電メーカーの開発者 より少ない電気で動く、省エネ性能の高い冷蔵庫やエアコン、LED照明などを開発する仕事です。
          • エネルギー管理士 工場や大きなビルなどで、たくさんの電気が無駄なく使われるように、エネルギーの使い方を診断し、改善案を提案する専門家です。
          • 建築士・住宅デザイナー 太陽の光をうまく取り入れたり、熱が逃げにくい断熱材を使ったりして、少ない冷暖房で快適に過ごせる「エコハウス」を設計する仕事です。

          まとめ

          今回は、私たちの生活に欠かせない「電気」をテーマに、なぜ今「省エネ」が大切なのか、そしておうちでできる具体的なアクションは何かを一緒に見てきました。

          電力不足という言葉を聞くと、少し難しい問題に感じるかもしれません。しかし、テレビのつけっぱなしやエアコンの設定温度など、原因の多くは私たちの普段の暮らしの中に隠れています。そして、その解決策もまた、フィルターの掃除やプラグを抜くといった、ほんの少しの意識と工夫から生まれます。

          この自由研究で提案した「電力の見える化」は、ただ電気の量を調べるだけでなく、自分たちの生活習慣を見つめ直し、家族とコミュニケーションをとる素晴らしい機会にもなります。省エネは、決して「我慢」や「不便」なものではなく、知恵と協力で楽しく乗り越えられる「クリエイティブな挑戦」なのです。

          この記事を読み終えた今、あなたの周りを見渡してみてください。使っていない部屋の電気はついていませんか?コンセントに刺さったままの充電器はありませんか?

          今日からできる小さな省エネアクション。その一つひとつが、地球の未来を守り、社会全体を支える大きな力に繋がっています。この自由研究が、あなたとあなたの家族にとって、エネルギーとの付き合い方を考え、より賢く、より豊かな暮らしを創造するきっかけとなることを心から願っています。

          関連書籍

           

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          • 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
          • テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
          • 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。

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