住まいをデザインする!住宅設計士とリフォーム業者とは?
住宅設計士は、家族の夢や希望を形にするため、新しい家の設計図を描く専門家です。一方、リフォーム業者は、今ある家をより快適で安全な場所にするため、改築や修繕を行うプロフェッショナル。どちらも人々の「暮らし」の土台を創り、豊かにする大切な仕事です。
この仕事の最大の魅力は、人々の「人生で一番大きな買い物」とも言える住まいづくりに深く関わり、家族の笑顔を直接見られることです。お客様の「こんな家に住みたい!」という漠然とした夢を、対話を通じて具体的な形にしていく過程は、まるで一緒に宝探しをするようなワクワク感があります。自分がデザインした家が実際に建ち上がった時の感動や、リフォームによって「家が明るくなった」「生活が便利になった」と感謝される喜びは、何にも代えがたいものです。自分のアイデアや工夫が、誰かの幸せな毎日にずっと寄り添い続ける。そんな大きなやりがいを感じられるのが、この仕事の素晴らしいところです。
住宅設計士とリフォーム業者の仕事とは?
住宅設計士とリフォーム業者は、どちらも「住まい」の専門家ですが、その仕事内容は少し異なります。
住宅設計士の仕事例 新しい家を建てる場合
- ヒアリング 「日当たりの良いリビングが欲しい」「子供部屋は2つ」「ペットと過ごしやすい庭が夢」など、お客さんの家族構成やライフスタイル、夢を詳しく聞きます。
- プラン提案 聞いた希望をもとに、家の間取りやデザイン、使う材料などを考え、設計図や模型、CGなどを使って「こんな家はどうですか?」と提案します。
- 設計図の作成 プランが決まったら、実際に家を建てる大工さんたちが分かるように、ミリ単位で細かく指示を書き込んだ、たくさんの専門的な図面を作成します。
- 工事の確認 工事が始まったら、設計図通りに正しく作られているか、現場に足を運んでチェックするのも大切な仕事です。
リフォーム業者の仕事例 キッチンを新しくする場合
- 現状調査 「収納が少なくて使いにくい」「古くて暗い感じがする」といったお客さんの悩みを聞き、今のキッチンの寸法を測ったり、問題点を確認したりします。
- リフォームプランの提案 お客さんの予算や希望に合わせて、「こんなシステムキッチンがありますよ」「壁紙を明るくすると印象が変わります」など、具体的な商品や工事内容を提案し、見積もりを出します。
- 工事 大工さん、水道屋さん、電気屋さんなど、様々な職人さんと協力して、古いキッチンを解体し、新しいキッチンを設置する工事を進めます。
- 完成・引き渡し ピカピカになったキッチンをお客さんに見てもらい、使い方を説明して仕事は完了です。
住宅設計士とリフォーム業者の魅力!
- 創造力を形にできる喜び 真っ白な紙の上に、世界に一つだけの家をデザインしたり、古い家を魔法のように生まれ変わらせたりできます。例えば、「天体観測が趣味」という家族のために、屋根に天窓のある部屋を設計するなど、自由な発想を活かせます。
- 「ありがとう」が直接聞けるやりがい 家の完成やリフォーム後、お客さんから「おかげで毎日が楽しくなりました!」といった感謝の言葉を直接もらえる機会がたくさんあります。自分がした仕事で人が幸せになるのを実感できるのは、大きな喜びです。
- 仕事が地図や街に残る 自分が設計した家やリフォームした建物は、その後何十年もそこに建ち続け、街の風景の一部になります。自分の子供や孫に「あのお家は、お父さん(お母さん)がデザインしたんだよ」と自慢できるかもしれません。
- チームで大きなものを創り上げる達成感 家づくりは一人ではできません。大工さん、電気屋さん、内装屋さんなど、多くのプロフェッショナルとチームを組んで協力します。みんなで力を合わせて一つの家を完成させた時の達成感は格別です。
- 経験が力になる安定した収入 この仕事は経験を積むほど信頼され、より大きな仕事や難しい仕事を任されるようになります。一般的な会社の社員として働く場合、平均年収は約400万円から800万円ほどですが、実力と経験を積み、独立して自分の設計事務所を開けば、年収1000万円以上を目指すことも夢ではありません。お客さんの夢を叶えることで、自分の生活も豊かにできる魅力的な仕事です。
住宅設計士とリフォーム業者になるには?
ステップ1 まずは「建物」に興味を持とう! あなたの家の間取りはどうなっていますか?リビングが南向きなのはなぜでしょう?身の回りにある建物や、素敵なカフェ、図書館などが「どうしてこんな形なんだろう?」と観察することから始めてみましょう。
ステップ2 絵や工作で表現してみよう! 「こんな家に住みたいな」「こんな秘密基地があったらな」というアイデアを、絵に描いたり、段ボールや粘土で模型を作ったりしてみましょう。自分の頭の中にあるイメージを、どうすれば人に伝えられるか工夫する練習になります。
ステップ3 色々な建物を体験してみよう! 休みの日に、家族と美術館や博物館、有名な建築家が設計した建物などに行ってみませんか?写真で見るのと、実際にその空間を歩いてみるのとでは、全く違う発見があるはずです。どんなところが心地よかったですか?
ステップ4 専門知識に触れてみよう! 建築に関する子供向けの本を読んだり、テレビの「建もの探訪」のような番組を見たりするのも良いでしょう。高校生になったら、建築科やデザイン科のある学校について調べてみましょう。どんな勉強をすれば、夢に近づけるでしょうか?
ステップ5 人と話すことを楽しもう! この仕事は、お客さんの希望を聞き出す力や、職人さんたちに正確に意図を伝えるコミュニケーション能力がとても大切です。まずは、家族や友達の話をしっかり聞くこと、そして自分の考えを分かりやすく話す練習をしてみましょう。
この分野で有名なプロフェッショナル
ル・コルビュジエ(Le Corbusier)
スイス生まれで、主にフランスで活躍した近代建築の三大巨匠の一人です。彼は、それまでの石やレンガを積み上げる重厚な建築とは全く違う、「鉄筋コンクリート」という新しい技術を使って、革命的な建物を次々と生み出しました。彼が設計した建物は、まるで大きな彫刻のようでありながら、人々が快適に暮らすための機能性も追求されています。日本では、東京の上野にある「国立西洋美術館」の本館が彼の設計で、2016年には世界文化遺産にも登録されました。建築だけでなく、都市計画や家具のデザインなど、幅広い分野で才能を発揮し、現代の建築家にも大きな影響を与え続けている伝説的な存在です。
マーケィングの観点から見ると?
住宅設計やリフォームの仕事は、地球全体の未来を考える上で、ますます重要になっています。現在、世界では気候変動対策として、エネルギーをあまり使わない「省エネ住宅」や、太陽光発電などを利用してエネルギーを生み出す家が求められています。また、少子高齢化が進む国では、お年寄りが安全に暮らせる「バリアフリー」の家や、世界中で問題になっている「空き家」をリフォームして新しい価値を生み出す取り組みも活発です。
これからの建築家やリフォーム業者は、ただ新しい家を建てるだけでなく、3Dプリンターのような最新技術を使ったり、環境に優しい材料を選んだりしながら、地球環境を守り、多様な人々が幸せに暮らし続けられる「持続可能な社会」をデザインしていく、まさに未来を創る素晴らしい仕事なのです。
自由研究の例
ステップ1 家族にインタビューしよう!
- 「お父さん、お母さん、兄弟は、家の中でどこが一番好き?それはなぜ?」
- 「今の家で『もっとこうだったらいいのに』と思うところはある?」
- 「もし新しい家を建てるとしたら、どんな部屋や機能が欲しい?」 (例:広いお風呂、料理がしやすいキッチン、庭でバーベキューがしたい、など)
ステップ2 理想の家のコンセプトを決めよう!
- インタビューの結果から、家族の願いを一番叶えられる家のテーマ(コンセプト)を考えよう。(例:「ペットと楽しく暮らす家」「自然を感じるエコハウス」「趣味を楽しむ秘密基地みたいな家」など)
- そのコンセプトを一言で表すキャッチコピーを考えてみよう!
ステップ3 間取り図を描いてみよう!
- 方眼紙や大きな紙に、考えたコンセプトに沿って部屋の配置(間取り)を描いてみよう。
- 太陽はどっちからのぼるかな?リビングは明るい方がいいよね?など、日の当たり方や風の通り道も考えてみよう。
- 家族それぞれの部屋だけでなく、みんなが集まる場所や、収納の場所も忘れずに。
ステップ4 模型を作ってみよう!
- 段ボール、牛乳パック、空き箱、粘土などを使って、設計した家の立体模型を作ってみよう。
- 窓やドアはどうやって表現する?屋根の形は?家具も小さく作って置いてみると、もっとイメージが湧くよ。
ステップ5 発表しよう!
- 完成した間取り図と模型を使って、家族に「夢のマイホーム」のプレゼンテーションをしよう!
- 「なぜこの間取りにしたのか」「どんな工夫をしたのか」など、家の良いところをしっかり伝えよう。家族はどんな反応をしてくれるかな?
まとめ
住宅設計士やリフォーム業者は、単に建物の図面を描いたり、古くなった壁を直したりするだけではありません。家族の笑い声が響くリビングを想像し、子供の成長を考えた部屋をデザインし、時には人生の新たなスタートを応援するなど、人々の「暮らし」そのものをデザインする夢のある仕事です。
自分のアイデアと情熱で、誰かの毎日を豊かにし、幸せな思い出が刻まれる「場所」を創り出す。そしてその仕事は、街の風景として、人々の記憶として、長く残っていきます。もしあなたが、何かを創り出すこと、人を喜ばせることが好きなら、この仕事はあなたの未来を輝かせる素晴らしい選択肢の一つになるでしょう。
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。