世界の教育|歌声が国を創り、ITが未来を拓く!ラトビアの「生きる力」を育む教育の秘密を探る旅

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教育制度の特徴

ラトビアの教育制度は、就学前教育、9年間の基礎教育、3年間の中等教育、そして高等教育(大学など)で構成されています。

ポイントは、9年間の基礎教育(1年生から9年生、7歳から16歳まで)が義務教育であり、無償で受けられることです。この基礎教育を終えると、生徒は自分の興味や将来の進路に合わせて、大学進学を目指す「普通中等教育」か、専門的なスキルを身につける「職業中等教育」かを選択します。

つまり、早い段階から自分の将来を考え、進む道を選ぶ機会が与えられているのです。

教育方法

ラトビアの教育で今、最も注目されているのが「Skola2030(スクオーラ2030)」という教育改革です。これは、単に知識を暗記するのではなく、学んだことを実生活でどう活かすかという「コンピテンシー(能力)」を重視する学び方です。具体的には、

  • 探求型学習 先生が一方的に教えるのではなく、生徒が自ら課題を見つけ、調べ、考え、発表する授業が増えています。
  • 教科横断的な学び 例えば、歴史の授業で学んだことを、数学のデータ分析で考察したり、美術の作品で表現したりと、教科の壁を越えて多角的に物事を捉える力を養います。
  • デジタル技術の活用 小さな頃からプログラミングや情報リテラシーを学び、テクノロジーを使いこなす力を身につけます。

「なぜこれを学ぶのか?」「この知識をどう使うのか?」を常に問いかける、実践的な学びがラトビアの教育方法の大きな特徴です。

教育への取り組みや支援

ラトビアでは、誰もが平等に質の高い教育を受けられるよう、様々な支援が行われています。

  • 無償の義務教育 授業料だけでなく、教科書も国から無償で提供されます。
  • 給食の提供 多くの学校で、栄養バランスの取れた温かい給食が提供されており、低学年では無料の場合もあります。
  • 特別な支援 障がいのある子や、学習に困難を抱える子のために、専門の教員や支援員が配置され、一人ひとりに合ったサポートを行っています。
  • 「風の道」プロジェクト これは、いじめや不登校などの問題を抱える子どもたちを支援するメンター制度です。地域の大人が子どもたちの良き相談相手となり、心に寄り添います。

国全体で子どもたちの学びと成長を支えようという、温かい姿勢がうかがえます。

子供達の1日の過ごし方

ラトビアの子どもたちは、どんな一日を送っているのでしょうか?

平日は、朝8時半ごろから授業が始まり、午後2時から3時ごろに終わることが多いです。授業の合間には長い休憩があり、友達と遊んだり、軽食をとったりして過ごします。

放課後は、宿題を済ませた後、様々な活動に参加します。ラトビアでは、歌やダンスといった文化的な活動がとても盛んで、多くの学校に合唱団やフォークダンスのグループがあります。5年に一度開催される「歌と踊りの祭典」は、国を挙げての一大イベントで、子どもから大人までたくさんの人が参加します。

その他にも、バスケットボールやアイスホッケーなどのスポーツ、森でのキノコ狩りやベリー摘みなど、豊かな自然を活かした活動も人気です。勉強だけでなく、文化や自然とのふれあいを大切にするのがラトビア流の過ごし方です。

教育と社会の関係

ラトビアにとって教育は、国の未来を創る上で非常に重要な役割を担っています。

  • ラトビア語と文化の継承 ラトビアは、ロシアをはじめとする様々な国に囲まれてきた歴史から、自国の言語や文化を守り、次の世代に伝えていくことを教育の重要な柱としています。
  • IT人材の育成 ラトビアは「バルト海のシリコンバレー」とも呼ばれ、IT産業が盛んです。教育現場でもデジタル教育に力を入れ、国際的に活躍できる人材を育てています。
  • 多文化共生への挑戦ラトビアにはロシア系の住民も多く暮らしており、異なる文化を持つ人々が共に生きていくための教育も模索されています。

教育を通して、国のアイデンティティを確立し、社会の発展につなげていこうという強い意志が見えます。

国が抱える教育の課題と未来

多くの改革を進めるラトビアですが、課題も抱えています。

  • 教員不足と高齢化 教員の給与水準が他の職業に比べて低いことなどから、若い世代の教員が不足しており、全体の平均年齢も高くなっています。
  • 都市と地方の教育格差 首都リガなどの都市部に比べ、地方では学校の規模が小さく、教育資源が十分に行き届かないという問題があります。
  • 改革の浸透 「Skola2030」のような新しい教育方針を、すべての学校、すべての教員が理解し、実践していくには時間がかかります。

これらの課題に対し、ラトビア政府は教員の待遇改善や地方の小規模校への支援、教員研修の充実などを通して、解決に取り組んでいます。困難を乗り越え、誰もが質の高い教育を受けられる未来を目指して、挑戦は続いています。

教育と文化や価値観の関係

「歌と踊りの祭典」に象徴される、文化継承と共同体意識

ラトビアの多くの学校では、合唱やフォークダンスが日本の部活動のように盛んに行われています。これは、5年に一度開催される国家的なイベント「歌と踊りの祭典」へと繋がっています。何万人もの人々が民族衣装をまとって歌い踊る光景は圧巻で、国民の一体感を育む大切な機会です。かつてソ連からの独立を願った「歌う革命」の歴史もあり、教育を通じて歌と文化を継承することが、国のアイデンティティを守り、人々を繋ぐという強い価値観になっています。

「なければ自分で創る」起業家精神とIT立国の土台

「Skola2030」が推進する、自ら課題を見つけて解決策を探る「探求型学習」やデジタル教育は、若者たちの間に「なければ自分で創ればいい」という自立心や起業家精神(アントレプレナーシップ)を育んでいます。ラトビアが「バルト海のシリコンバレー」と呼ばれ、多くのITスタートアップが生まれる背景には、このような失敗を恐れずに挑戦し、実践から学ぶことを奨励する教育の土壌があるのです。

豊かな自然と共生するライフスタイル

ラトビアの教育では、森での活動などを通じて幼い頃から自然とのふれあいを大切にします。この価値観は、多くの国民が持つライフスタイルに直結しています。夏になるとサマーハウスで過ごし、森でキノコやベリーを摘み、ハーブの知識を親から子へと受け継ぐのは、ごく自然な文化です。これは単なるレジャーではなく、自然の恵みに感謝し、環境と共に生きるというラトビア人のサステナブルな価値観を形作っています。

「自分で決める」ことを重んじる独立心

16歳で将来の専門分野を選ぶなど、ラトビアの教育は早い段階から自己決定の機会を与えます。自分の興味や適性について深く考え、責任を持って進路を選ぶ経験は、他者に依存しない強い独立心を育みます。一見すると物静かで控えめに見えるラトビア人ですが、その内側には、自分の人生は自分で切り拓くという、教育によって培われた確固たる芯の強さが秘められています。

まとめ

ラトビアの教育は、単に知識を教えるだけでなく、子どもたちが自ら考え、学び、社会と関わりながら「生きる力」を育むことを目指しています。伝統文化や自然とのふれあいを大切にしながら、「Skola2030」という未来を見据えた改革に国全体でチャレンジしている姿は、私たちにこれからの学びのあり方を考える上で、たくさんのヒントを与えてくれます。

この自由研究をきっかけに、ラトビアという国、そして世界の様々な教育について、さらに探求してみてはいかがでしょうか。そこには、きっと未来をより良くするための新しい発見があるはずです。

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