認知獲得プランニング
認知獲得プランニング(=認知を増やすための計画)とは、自分たちのブランドや商品をより多くの人に知ってもらい、有名にするための計画のことです。この計画では、「どんな方法で人々に知ってもらうか」を考えます。たとえば、商品やブランドの名前を考えたり、ブランドの物語や目を引くキャッチコピーを作ったりします。これらを通じて、多くの人に「存在感がある」と感じてもらうことを目指します。
ビジネス上は助成認知、非助成認知の獲得方法を策定し、ネーミング開発やブランドストーリー、キャッチコピーなどのクリエイティブ要素を通じて市場での存在感を高めることを目指します。
認知とは、何かを知ったり、理解したりすることです。例えば、新しい文房具が学校に入ったとき、先生や友達からその文房具のことを聞いたり、見たりして「こんな文房具があるんだ!」と知ることが認知です。これにより、みんながその文房具に興味を持ち、使ってみたいと思うようになります。認知は、何か新しいことを知って、それに気づくことを意味します。
主なアクションプラン
・助成認知獲得プランニング
・非助成認知獲得プランニング
・ネーミング開発
・ブランドストーリー開発
・キャッチコピー開発
・デザイン開発全般
認知獲得プランニングの大方針
認知を増やすための計画の大きな目的は、ブランドや商品の名前をたくさんの人に知ってもらい、しっかりした立場を市場で築くことです。「認知」というのは、どれだけの人が知っているかを0%から100%の数字で表したものです。計画を立てるとき、対象の地域や人々をしっかり決める必要があります。その中には、まだ商品を知らない人から、すでに買ったことがある人までいろいろな人がいます。そこで、最初に「ファネル」という考え方を使って、人々を段階ごとに分けます。
- 潜在層:まだ商品やブランドを知らない人たち。
- 認知層:商品やブランドのことを知ったばかりの人たち。
- 比較検討層:どの商品がいいか比べて考えている人たち。
- 検討層:実際に買おうか迷っている人たち。
商品の種類や会社の状況によってファネルの内容は変わりますが、どの段階でもその人たちに合った方法でアプローチすることが大切です。
認知を増やすための具体的な取り組み
- 商品やブランドの名前を考える(ネーミング)。
- ブランドの魅力を伝える物語(ブランドストーリー)を作る。
- 記憶に残るキャッチコピーを考える。
これらを通じて、人々にもっと関心を持ってもらい、ブランドや商品の認知度を高めることを目指します。
認知獲得プランニングの大方針は、ブランドや製品の知名度向上を戦略的に図ることで、市場における確固たるポジションを築くことです。「認知」とは対象エリアを定義すると0%から100%で数値化されます。対象エリアの生活者には、潜在層から既存顧客までさまざまな状態が存在するため、認知獲得プランニングの初期には「ファネル定義」が必要になります。ファネルは潜在層、認知層、比較検討層、検討層などを含み提供する商品やサービスや事業ステージにより定義する内容は異なりますが、それぞれのファネル段階で最適な戦術を展開できるようなマーケティング計画を策定します。マーケティング計画の中で、助成・非助成認知、ネーミング開発、ブランドストーリーおよびキャッチコピーの作成を通じて、消費者との接点を強化し、認知度を高めます。
助成認知獲得プランニング
助成認知とは、「このブランド(『庭』)を知っていますか?」という質問や企業の訴求に対して、「知っている」や「知らない」で答えられるかどうかの認知パターンのです。このような情報は、市場を理解したり、どれくらい商品が必要とされるかを予測するための大事なデータになります。助成認知を高めるためには、広告やプロモーションを使って、ブランドや商品のことを直接人々に知らせます。具体的な方法として、テレビを通じて多くの人にブランドを伝える。インターネットを使って情報を広める。イベントに協力してブランドの名前を知ってもらう。これらの活動を通じて、より多くの人にブランドを知ってもらうことを目指します。
助成認知(Aided Awareness)とは、「このブランド(「庭」)を知っていますか?」という質問や企業の訴求に対して、「知っている/知らない」または「Yes/No」で回答できるかどうかの認知のパターンです。市場理解をするため、需要予測のための分析対象データとなります。助成認知を獲得するためには、広告やプロモーションを通じて消費者にブランドの存在を直接知らせます。具体的な手法としては、テレビCM、オンライン広告、イベントスポンサーシップなどが含まれます。
非助成認知獲得プランニング
非助成認知とは、「このカテゴリー(たとえば『動物園』)で思い浮かぶブランドは何ですか?」という質問に対して、自分で「庭」などのブランド名を思い出すことを指します。この場合、ブランド名を直接伝えられなくても、消費者がそのブランドを思い出すことが重要です。消費者がそのブランドを思い浮かべれば、買うかどうかを検討する候補に入ります。しかし、他のブランドが先に思い浮かんで自分のブランドが思い出されない場合、その商品を買ってもらえる可能性は低くなります。さらに、カテゴリーに関連して最初に思い浮かぶブランド(「第一想起」)が自分のブランドであれば、それは非常に強いブランドの証拠と言えます。非助成認知を高めるには、消費者が自分からブランドを知る機会を増やすことが大切です。口コミ、ソーシャルメディアでの拡散、インフルエンサーマーケティングなどを活用し自然な形でブランドを知ってもらい、多くの人の記憶に残るようにします。
非助成認知(Unaided Awareness)とは、「このカテゴリ(「動物園」など)でどのブランド(「庭」)を思い浮かべますか?」という質問や企業の訴求や生活の課題感に対して、「自社ブランド」が想起される認知パターンです。この場合、自社ブランドの直接的な訴求ではなく、自社ブランドが存在するカテゴリやカテゴリに関連する課題から自社ブランドを想起するため、想起されれば購買や比較検討の対象になりますが、他社ブランドが想起され自社ブランドが想起されない場合は購買や比較検討される確率が格段に低下するのが一般的です。カテゴリから連想されるブランドの順番も重要で、第一想起、つまりカテゴリに紐づくブランド最も最初の位置が自社ブランドであることが最も強いブランドの証になります。消費者が自発的にブランドを知る機会を増やすことを目指します。口コミ、ソーシャルメディアでの拡散、インフルエンサーマーケティングなどを活用し、オーガニックな方法でブランドの知名度を高めます。
ネーミング開発
ブランドや商品の名前を決めるときには、ターゲットとなるお客様やブランドの大切にする価値に合った名前を選ぶことが大事です。その名前が「覚えやすい」「発音しやすい」ものであることも重要です。ブランドの名前やキャッチコピーを決めたら、それを繰り返し伝えることが大切です。目指すべきは、お客様の頭の中で「思い浮かぶブランド」の上位5つ(非助成認知のTOP5)に入ることです。お客様がブランドを思い浮かべる順番(たとえば、最初に思い出すか、第3番目に思い出すか、まったく思い浮かばないか)によって、そのブランドが選ばれるチャンスに影響があります。だからこそ、「何を伝えるか」「どんな言葉を使うか」をしっかり考え、効果的に伝えることが重要です。
ブランドや製品の名前を決定するプロセスで、ターゲット市場やブランドの価値観に合致する名前を選定します。顧客視点で記憶に残りやすく、発音しやすい名前を選ぶことが重要です。認知戦略の基本概念として、生活者の頭の中で非助成認知のTOP5以内に入るようにコンセプトやキャッチコピーを決定し、「伝え続ける」ことが重要です。非助成認知のエボークトセット(想起集合)の第1想起か?第3想起か?想起集合に入っていないか?により「選択」と「機会」に影響します。
例として「動物園」カテゴリのエボークトセット・サファリパーク・上野動物園・旭山動物園など住んでいる地域や体験によって「動物園」に対してどの順番で何を思い浮かべるかは人により異なる。
ブランドストーリー開発
ブランドの背景やミッション、ビジョンを消費者に伝えるために、物語、いわゆるストーリーを作成します。このストーリーは、消費者との感情的なつながりを強化し、ブランドに対するロイヤルティを向上させるために役立ちます。
キャッチコピー開発・デザイン開発全般
ブランドのメッセージを簡単で魅力的な言葉やイメージで伝えます。これにより、消費者の関心を引き、ブランドをもっと知ってもらうことができます。こうした方法をうまく使い、ブランドや商品の認知度を計画的に高めることが、認知獲得プランニングの基本方針です。
認知について
- 認知とは消費者が自社ブランドを知っている割合。
- 消費者のブランド「認知」はブランドをつかさどる定量指標。
- ブランドを知っている割合やブランドを知っている質は様々。
- 「認知」には知っている記憶の違いと表現方法で助成認知と非助成認知の2種類ある。
参照元: https://www.ida-web.com/rederisejapan/remedia/brandrecognition/
主な役割
認知獲得プランニングでは、多くの場合プロダクトマネージャー、プロジェクトマネージャー、クリエイティブ・ディレクターが経営層とともにアクションにあたります。
ターゲット消費者の状態を定義するファネル定義例
ファネル定義とは、ターゲットとなる市場の人々(生活者)と自社のブランドや製品との関係を整理することです。例えば、当社のファネルには、潜在層、助成認知層、非助成認知層、比較検討層、試用検討層、購買層、アフター層を基本とします。ファネルを定義することで、市場の構造をイメージしやすくなり、社内での戦略共有がスムーズになります。また、ターゲット消費者の定義や商品のコンセプト、消費者の考え(インサイト)を理解することは簡単ではありませんが、顕在層(はっきりとした需要のある層)から理想的な利用者への流れを考えることで、視野を広げ、次のステップに進むことができます。
ファネル定義とは、戦略ターゲット(選択した市場の生活者)と自社ブランドや自社との関係を整理するものです。当社のファネルは潜在層、助成認知層、非助成認知層、比較検討層、試用検討層、購買層、アフター層を基本としています。KPI設計や仮説定義と同時に進行する場合もありますが、ファネルを定義することで市場構造がイメージしやすくなり、社内での戦略共有などがスムーズに進むなどのメリットもあります。ターゲット消費者定義(ST・PP)やコンセプト、インサイトへの洞察は簡単ではなく、一般的な顕在層から理想的な利用者のフローを定義することで視野を狭めず、先のステップに取り組むことができることが大きなポイントです。
潜在層 | カテゴリまたはブランドを知らない |
---|---|
助成認知層 | カテゴリまたはブランド名を知っている |
非助成認知層 | カテゴリからブランドを連想できる(ブランド名からカテゴリも) |
比較検討層 | カテゴリから連想したブランド(検索したブランドを含め)を対象に位置付ける |
試用検討層 | ブランドを試す、意思決定判断の最中 |
試用実行・購買層 | 予約、購入、サービス消費など体験接触・購買 |
アフター層 | 購買・体験後のターゲット顧客 |
画像引用元: UnsplashのMarten Bjork
foodots.
foodots.は株式会社SHISEILABOが運営する食文化動画メディアです!