今回のテーマ
「拡大鏡使用して植物の葉っぱの裏と表の気孔の数を調べてみよう」
植物は人間のように口はありませんが、実は葉っぱにある小さな穴を使って「呼吸」や「水分の調節」をしています。この穴を「気孔(きこう)」と呼びます。 この研究では、身近な植物の葉っぱを使い、顕微鏡やスマートフォン用の拡大レンズ(マクロレンズ)を使って、気孔が「表」と「裏」のどちらに、どれくらいの数あるのかを実際に数えて比較します。目に見えないミクロの世界をのぞき見る、ワクワクする実験です。
自由研究の目的
「植物はどうやって生きているの?」という疑問の答えがここにあります。 気孔は、植物が光合成に必要な二酸化炭素を取り込み、酸素や水蒸気を出すための大切な窓口です。気孔の数や場所を知ることで、植物が乾燥から身を守るための工夫や、太陽の光とどう付き合っているのかという「生き残りの戦略」が見えてきます。この仕組みを理解することは、地球全体の環境や、私たちが食べる野菜がどう育つかを知る第一歩になります。
自由研究のゴール
この研究の最終的なゴールは、ただ数を数えることだけではありません。 「日向(ひなた)の植物」と「日陰(ひかげ)の植物」、あるいは「水辺の植物」と「砂漠のような乾燥した場所の植物」を比べることで、環境による気孔の配置の違いを発見できれば、研究のレベルはグッと上がります。自分なりの「なぜ裏側に多いんだろう?」という仮説を立て、それを証明することがこの研究の醍醐味です。
具体的な事例
例えば、ツユクサという植物は気孔の観察がしやすいことで有名です。 実際に調べてみると、多くの植物では「葉の裏側」に気孔が圧倒的に多いことがわかります。なぜでしょうか? もし表側にたくさんあったら、太陽の熱でどんどん水分が奪われて、植物は干からびてしまうかもしれません。一方で、水面に浮かぶ「スイレン」のような植物は、裏側が水に浸かっているため、表側に気孔があるという珍しい例もあります。このように、植物の名前と気孔の分布をリスト化してみると、面白い発見が続々と出てきます。
研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!
観察を成功させるためのコツは「レプリカ法(スンプ法)」を使うことです。 気孔は非常に小さいため、そのまま拡大鏡で見てもなかなか見えません。そこで、透明なマニュキュア(トップコート)やボンドを葉に塗り、乾いてからセロハンテープで剥がすことで、葉の表面の形を写し取ります。この「型」を拡大鏡で見ると、気孔の形がくっきりと浮かび上がります。 また、比較する時は「同じ面積(例えば1ミリ四方)」の中に何個あるかを数えるようにすると、正確なデータになります。
自由研究の進め方
- 準備するもの いろいろな種類の葉っぱ、透明マニキュア、セロハンテープ、スライドガラス(または透明なプラスチック板)、スマートフォン用マクロレンズ(100円ショップでも買えます)または顕微鏡。
- 型を取る 葉の表と裏にマニキュアを薄く塗り、しっかり乾かします。
- 剥がす 乾いたマニキュアの上にセロハンテープを貼り、そっと剥がします。
- 観察する テープを透明な板に貼り、拡大鏡で覗きます。唇のような形をした「気孔」を探しましょう。
- 記録する 1ミリ四方あたりの数を数え、スケッチしたり写真を撮ったりします。
- 比較 複数の植物(ツバキ、ヒマワリ、パンジーなど)で同じ作業を繰り返し、結果をノートにまとめます。
自由研究から発見したアイデア
気孔の観察ができたら、さらに一歩進んだ実験を考えてみましょう。
- 「お疲れ気味の葉っぱ」を調べる 都会の道路沿いの葉っぱと、森の中の葉っぱで、気孔が汚れて詰まっていないか調べてみる(排気ガスの影響調査)。
- 「時間帯」で比べる 朝・昼・晩で気孔の開き具合に違いがあるか?(※これは生きたまま観察する必要があります)。
- 「塩水」をかける 葉に塩水をかけると気孔が閉じるという性質を利用して、植物の反応速度を測ってみる。
この自由研究に関連する仕事
- 植物生理学者 植物がどうやって環境に適応しているかを研究する科学者。
- 農業技術者 気孔の働きをコントロールして、少ない水でも大きく育つ野菜を開発するプロ。
- 環境コンサルタント 植物の状態を見て、その場所の空気がきれいかどうかを診断する仕事。
- 遺伝子資源バンカー 絶滅しそうな植物の種(遺伝子)を守り、未来へつなぐ管理人。
まとめ
葉っぱの裏側にある小さな「窓」、気孔。 普段は見過ごしてしまうような小さな穴ですが、そこには植物が何万年もの時間をかけて編み出してきた、生きるための知恵が詰まっています。拡大鏡を持って外に出れば、庭や公園が巨大な「知恵の宝庫」に見えてくるはずです。 まずは一枚の葉っぱから、あなただけの新しい発見を始めてみてください!
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。





