今回のテーマ
「家の近所の公園の砂場の砂粒の大きさを分類して比較してみよう」
公園の砂場にある「砂」。どれも同じように見えますが、実は一粒一粒の大きさや形、色は全く異なります。この自由研究では、身近な公園の砂を採取し、手作りの「ふるい」を使って粒の大きさを分類(分級)します。複数の公園の砂を比べることで、その砂がどこから来たのか、どのような特徴があるのかを科学的に探るプロジェクトです。
自由研究の目的
私たちが普段何気なく踏んでいる砂は、長い年月をかけて岩石が削られてできたものです。砂の大きさを調べることは、その場所の地質や、砂が運ばれてきた仕組み(川の流れや波の力など)を知る手がかりになります。また、粒の大きさが揃っている砂と、バラバラな砂では、水の吸い込み方や「泥団子の作りやすさ」も変わります。観察を通して、物質の性質を見極める「科学の目」を養うことができます。
自由研究のゴール
- 初級 1箇所の公園の砂を大きさを3段階くらいに分ける。
- 中級 2〜3箇所の公園を比較し、粒の混ざり方の違いをグラフにする。
- 上級 分類した砂を使って、水の浸透速度(水がしみ込む速さ)の違いまで実験する。
具体的な事例
例えば、山に近い公園の砂場には、角張った大きな粒(粗砂)が多く含まれているかもしれません。一方で、海に近い公園や、新しく整備された公園では、サラサラとした粒の揃った砂が使われていることがあります。 実際に分けてみると、「A公園は大きな石ころが10%も混じっていたけれど、B公園はほとんどが1ミリ以下の細かい砂だった!」というような具体的な数字が見えてきます。この「数字で比べる」ことが、立派な科学の証明になります。
研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!
- しっかり乾かすこと 湿った砂は粒同士がくっついてしまい、正しく分類できません。天日干しをしてサラサラにしましょう。
- 同じ条件で比べること 採取する量は「カップ1杯分」など、全ての公園で同じ量に揃えます。
- 「ふるい」の網目を工夫すること 100円ショップのザルや、排水口ネット、ストッキングなど、網目の細かさが違うものを組み合わせてオリジナルの分類器を作ってみましょう。
自由研究の進め方
- 砂をあつめる 比較したい公園へ行き、表面ではなく少し掘ったところの砂を袋に入れます(場所の許可や安全に注意しましょう)。
- 乾燥させる 新聞紙やトレイに広げて、太陽の光で完全に乾かします。
- ふるいにかける 目の粗いザルから順番に砂を通していきます。
- 重さやカサを測 分けられた砂をそれぞれ計量器で測るか、同じ形の透明カップに入れて高さを比べます。
- 観察する 虫眼鏡で粒の形や色をじっくり見て、ノートに記録します。
- まとめる 公園ごとの特徴を書き出し、なぜ違いが出たのか自分なりの予想を立ててみましょう。
自由研究から発見したアイデア
- 「最強の泥団子用ブレンド」の開発 どの大きさの砂をどの割合で混ぜると、一番硬くて光る泥団子ができるか実験してみる。
- 砂の「音」を聴く 粒の大きさが違う砂をボトルに入れて振った時、音にどんな違いが出るか録音して比べてみる。
- ミクロの宝石探し 砂の中にキラキラ光る透明な粒(石英)や、磁石にくっつく黒い粒(磁鉄鉱)がどれくらい混ざっているか調べてみる。
この自由研究に関連する仕事
- 土木エンジニア ビルや道路を作る際、地盤の強さを調べるために土の粒子の大きさを分析します。
- 地質学者 砂の成分から、数万年前の地球の環境や火山の噴火の歴史を解き明かします。
- 建築家 コンクリートを作るのに最適な砂の配合を考え、丈夫な建物を作ります。
- 素材メーカー 砂に含まれるシリコンを取り出して、スマホやパソコンの半導体を作る材料にします。
まとめ
砂場の砂は、一見どれも同じ「茶色の粒」に見えます。しかし、ふるいにかけて分けてみるだけで、それぞれの公園が持つ「秘密の歴史」や「個性」が浮かび上がってきます。 「なぜこの公園の砂は白っぽいのかな?」「どうしてここは水たまりができにくいのかな?」そんな小さな疑問から、世界につながる大きな発見が始まります。ぜひ、お気に入りのマイ・ふるいを持って、近くの公園へ冒険に出かけてみてください!
関連書籍
身近な仕事について考えてみよう!
- 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
- テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
- 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。





