自由研究576|室内の温度変化/エアコン稼働時間変化を記録して、効率的な換気方法を提案しよう

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今回のテーマ

    「家庭の窓やドアの開閉による室内の温度変化/エアコン稼働時間変化を記録して、効率的な換気方法を提案してみよう」

    この自由研究のテーマは、「家庭内における窓やドアの開閉(換気)が、室内の温度やエアコンの稼働時間にどのような影響を与えるのか」を科学的に調査・分析することです。

    私たちは、新型コロナウイルスの流行などを経て、換気の重要性を強く認識するようになりました。しかし、「換気=窓を大きく開けること」が常に最も効率的で快適な方法とは限りません。本研究では、実際の生活空間でデータを計測し、快適性と省エネを両立させる「賢い換気方法」を見つけ出すことを目指します。

    自由研究の目的

    どうして家庭の窓やドアの開閉による「室内の温度変化/エアコン稼働時間変化」を記録して、効率的な換気方法を提案してみるの?

    換気は、室内の二酸化炭素濃度を下げるだけでなく、カビやホコリ、ウイルスなどの汚染物質を外に出し、新鮮な空気を取り込むことで、私たちの健康を守るために不可欠です。

    しかし、換気によってせっかくエアコンで整えた室内の空気が外に出てしまうと、エアコンは再び稼働し、電気を大量に消費してしまいます。これは電気代の増加につながるだけでなく、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量増加にもつながります。

    この研究を通じて、「健康を守る換気」と「エネルギーを無駄にしない省エネ」のバランス感覚を身につけることは、将来、私たちがより良い社会を築くために役立つ、重要な学びとなります。

    自由研究のゴール

    この研究を通じて、以下のような力を身につけることが目標です

    • レベル1 窓の開け方(全開、半分開け、対角線開け)を変えて、室温が何度変化するかを正確に記録できる。
    • レベル2 室温変化に加えて、エアコンが稼働している時間や設定温度を記録し、「最も電気を消費しにくい換気方法」を提案できる。
    • レベル3 外の気温や湿度、風向きなどの外部環境データも考慮に入れ、「今日の天候に最適な換気方法」を提案し、その効果を具体的な電気代に換算して説明できる。

      リビングルームでの実験事例

      事例 換気の「量」と「時間」の最適化

      あるリビングルームでの実験では、以下の結果が報告されています。

      • A. 窓を2ヶ所全開で5分間換気 室温が3℃下がり、その後のエアコンの再稼働時間が15分間長くなった。
      • B. 窓を対角線上に10cmずつ開け、部屋のドアも開けて10分間換気 室温変化は1℃に抑えられ、エアコンの再稼働時間は5分間だった。

      この事例からわかるのは、「短時間で大きく換気する(A)」よりも、「時間をかけて、風の通り道を作るように小さく換気する(B)」方が、室温への影響を抑え、結果的にエアコンの無駄な稼働を防げる可能性があるということです。あなたの家でも、似たような「賢い換気」のパターンが見つかるかもしれません。

          研究を進めるうえで、以下のポイントに注目しよう!

              1. 換気なし(何も開けない)の状態での室温とエアコンの稼働時間を記録する。
              2. 窓の開け方や時間だけを変えて、それ以外の条件(エアコンの設定温度、外の気温、時間帯など)をできるだけ揃える。

              この「換気なし」のデータと比べることで、あなたが試した換気方法が本当に効果があったのかどうかを、正確に証明することができます。

              自由研究の進め方

              ステップ 1 測定する場所と道具を決める

              • 場所の選定 リビング、自分の部屋など、エアコンがある部屋を選びます。
              • 必要な道具
                • 温度計/温湿度計 室温と湿度を正確に測ります。(できれば記録機能付きが良い)
                • ストップウォッチ/タイマー 換気時間を正確に測ります。
                • ノートとペン 測定結果や気づいたことを記録します。
                • (レベルアップを目指す場合)外気温や風速を測るための道具やWebサイト。

              ステップ 2 測定計画を立てる

              以下の3つのパターンの換気を、それぞれ3日以上かけて実施し、データを記録します。

              パターン 窓の開け方 換気時間 測定項目
              比較対照 窓・ドアを閉めたまま なし 室温、エアコン稼働時間
              実験 1 対角線の窓を10cm開ける 10分間 室温変化、エアコン再稼働時間
              実験 2 片方の窓を全開にする 5分間 室温変化、エアコン再稼働時間

              ステップ 3 データを記録・分析する

              記録したデータ(室温変化のグラフ、エアコン再稼働時間の表)を整理し、「どの方法が室温をあまり下げずに換気ができたか」「電気代を一番節約できそうか」を考察します。

              自由研究から発見したアイデア

              「半開きドア」を活用した賢い換気システム

              あなたの研究の結果、「対角線の窓を小さく開ける」方法が最も効率が良いとわかったとします。しかし、部屋に窓が一つしかない場合はどうでしょうか。

              そこで提案したいのが、「半開きドアによる室間換気」です。

              1. 自分の部屋のドアを10cmだけ開ける。
              2. その反対側の位置にある廊下の窓を少し開ける。

              これにより、廊下を経由した小さな「風の通り道」ができます。この方法で室温変化を最小限に抑えつつ、部屋の空気を効率よく入れ替えることができるかを検証するのも、新しい自由研究のテーマとして面白いでしょう。

              この自由研究に関連する仕事

              • 建築家 / 住宅設計士 換気効率や断熱性能を考慮した、省エネで快適な家を設計します。
              • 環境コンサルタント 企業や家庭に対し、エネルギー消費を減らすための具体的なアドバイスや計画を提供します。
              • 空調設備エンジニア ビルや工場の空気の流れや温度をコントロールするシステム(エアコン、換気扇など)を設計・管理します。
              • データサイエンティスト センサーから集めた大量のデータ(温度、湿度、二酸化炭素濃度など)を分析し、最適な行動を予測・提案します。

              まとめ

              今回の自由研究は、私たちの身近な行動である「換気」に、科学的な視点とデータ分析を取り入れることで、「健康」と「省エネ」という二つの大きな課題を同時に解決しようとするものです。

              窓の開け方一つで、電気代を節約でき、地球環境を守ることにもつながる。この小さな発見は、あなたの家庭だけでなく、未来の社会にとっても大きな価値を持つかもしれません。ぜひ、計測を楽しんで、あなただけの「最高の換気方法」を見つけてください!

                     

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