世界の仕事325|最高の一冊を読者に届ける!本を作る仕事、編集者とライターの舞台裏

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本を作る仕事!編集者とライターとは?

ライターは、文章を書く専門家。小説家やコラムニスト、情報を分かりやすく伝えるのが得意な人もいます。編集者は、本の企画から完成まで全ての工程に関わる監督役。ライターやデザイナーと協力し、最高の一冊を読者に届けます。

この仕事の最大の魅力は、「まだこの世にない価値を、本という形にして生み出せる」ことです。面白い物語、役に立つ知識、心を動かす写真集。それらのアイデアの種を見つけ、著者や専門家(ライター)の情熱や知識を引き出し、デザイナーや印刷会社など多くのプロと協力して、一冊の本を完成させた時の喜びは、何物にも代えがたいものです。自分の手がけた本が書店に並び、誰かの人生に影響を与えるかもしれない。そんなロマンと「知」の冒険に満ちた、刺激的な仕事です。

編集者とライターの仕事とは?

      例えば、「世界のカブトムシ図鑑」という本を作るとしましょう。

      1. 企画(編集者) まず編集者が「夏休みの自由研究に役立つ、世界中の珍しいカブトムシを集めた図鑑を作ろう!」と企画を考え、会社の会議で提案します。
      2. 依頼(編集者→ライター・イラストレーター) 企画が通ったら、編集者は「カブトムシに日本一詳しい昆虫博士」を探し出し、ライターとして文章の執筆を依頼します。同時に、カブトムシの絵をリアルに描けるイラストレーターも探します。
      3. 執筆・制作(ライター・イラストレーター) ライター(昆虫博士)は、専門知識を活かして、子供にも分かりやすい言葉でカブトムシの生態や特徴を解説する文章を書きます。イラストレーターは、その解説に合わせて絵を描きます。
      4. 編集・デザイン(編集者・デザイナー) 編集者は、ライターから受け取った原稿を読み、「この表現はもっと分かりやすくならないかな?」「この写真を使おう!」などと考え、修正を加えます。そしてデザイナーに、文章と絵が最も魅力的に見えるようにページのレイアウトを考えてもらいます。
      5. 完成! 何度も確認と修正を重ね、印刷会社で印刷・製本されて、ついに一冊の図鑑が完成します。

      このように、編集者は全体のリーダー、ライターは専門知識を言葉にするプレイヤーとして、協力して本を作っているのです。

      編集者とライターの魅力!

      1. 自分の「好き」が仕事になる! ゲームが好きならゲーム雑誌、歴史が好きなら歴史の本、と自分の興味や好奇心が企画の種になります。好きなことをとことん追求できるのが、この仕事の醍醐味です。
      2. たくさんのプロフェッショナルに出会える! ベストセラー作家、スポーツ選手、科学者、漫画家など、普通なら会えないようなすごい人たちにインタビューし、直接話を聞く機会がたくさんあります。
      3. 世の中に「形」として作品が残る! 自分が関わった本が、何年、何十年も、図書館や誰かの本棚に残り続けます。自分の仕事が、物理的な「モノ」として世の中に残るのは大きなやりがいです。
      4. 働き方を選べる!(特にライター) 編集者は出版社などの会社に勤めることが多いですが、ライターは会社に所属せず、フリーランスとして世界中どこでもパソコン一台で仕事ができます。
      5. 安定と夢のある報酬(年収) 編集者として出版社に就職すれば、会社の社員として安定したお給料がもらえます。一方、フリーランスのライターは、頑張った分だけ収入が増えます。そして、もし書いた本が世界的な大ヒットを記録すれば、プロスポーツ選手のように、夢のような報酬を手にすることも可能です!

      編集者とライターになるには?

      この仕事に就くのに「これさえあればOK」という資格はありません。でも、今からできることはたくさんあります!

      • ステップ1 とにかく「読む」! 本、マンガ、雑誌、ネット記事…ジャンルを問わず、たくさんの文章に触れましょう。面白い文章はなぜ面白いのか、考えてみるのが第一歩です。
        今、君が一番夢中になっている本は何ですか?その本のどこが面白い?
      • ステップ2 とにかく「書く」! 日記、読書感想文、短い物語でもOK。自分の考えや気持ちを文章にする練習を始めましょう。SNSやブログで発信してみるのも素晴らしいトレーニングです。
        昨日あった一番楽しかったことを、3行で誰かに伝えてみて!
      • ステップ3 「なぜ?」を探す冒険に出る! 「なぜ空は青いの?」「なぜこのゲームは人気なの?」身の回りのあらゆることに好奇心を持ち、調べてみるクセをつけましょう。その探求心が、面白い企画の種になります。
        君が今、一番「なぜ?」と思っていることは何ですか?
      • ステップ4 好きなことを「要約」してみる! 好きな映画やアニメのあらすじを、知らない人に説明するつもりで短くまとめてみましょう。情報を整理し、分かりやすく伝える力は編集者にもライターにも必須のスキルです。
        君の好きな物語の主人公は、どんな冒険をしますか?
      • ステップ5 学校の勉強を極める! 国語はもちろん、歴史や理科、社会の知識は、本のテーマを理解する上で強力な武器になります。たくさんの知識の引き出しを持っておくことが大切です。

      この分野で有名なプロフェッショナル

      J.K.ローリング(作家・ライター)

      世界中の子どもたちを魔法の世界へいざなった『ハリー・ポッター』シリーズの作者です。彼女は最初、生活に苦しみながら、カフェで物語を書き続けました。完成した原稿は、なんと12社の出版社から出版を断られたそうです。しかし、彼女は諦めませんでした。ついに出版されると、その面白さは口コミで世界中に広がり、史上最も売れたシリーズ作品となりました。彼女の物語は、国境や文化を超えて、世界中の人々に勇気と希望を与え続けています。一人の作家の情熱が、世界を動かした素晴らしい例です。

      マーケィングの観点から見ると?

      インターネットでどんな情報も手に入る時代だからこそ、「信頼できる情報」や「心を揺さぶる物語」を、プロの視点で選び抜き、届ける仕事の価値はますます高まっています。

      グローバルな視点で見ると、一冊の本は「文化の架け橋」になります。日本のライターが書いたマンガや小説が、世界中で翻訳され、海外の子どもたちを熱狂させる。海外の科学者が書いた本が、日本の未来の研究者を生むきっかけになる。編集者やライターは、言葉の力で国境を越え、人々の相互理解を深め、世界中の人々を繋ぐことができる、平和で素晴らしい仕事なのです。

      自由研究の例

      編集者とライターの仕事をもっと知りたいあなたに、こんな自由研究はいかが?

      • ステップ1 「本づくりのプロ」にインタビューしよう! 近所の本屋さんの店員さんや、学校の図書館の司書の先生に、「どんな本が人気ですか?」「本作りの裏側で知っていることはありますか?」とインタビューしてみましょう。
        本をたくさんの人に読んでもらうために、どんな工夫があると思う?
      • ステップ2 お気に入りの一冊を「解剖」してみよう! 君が一番好きな本について、「なぜこの表紙なんだろう?」「この目次の順番にはどんな意味があるの?」と、編集者の視点で分析してみましょう。
        もし君がこの本の編集者だったら、どんな帯(本に巻いてあるキャッチコピー)をつけますか?
      • ステップ3 世界に一冊だけの「ミニブック」を作ろう! 自分の好きなこと(ペット、ゲーム、スポーツなど)をテーマに、文章とイラストでA4用紙数枚の小さな本を作ってみましょう。君が編集者であり、ライターです!君が作る本で、一番伝えたいことは何ですか?

      まとめ

      編集者とライターの仕事は、単に文字を並べたり、紙を束ねたりすることではありません。それは、誰かの頭の中にある情熱や知識、物語という「見えない宝物」を見つけ出し、磨き上げ、本という「永遠に残る船」に乗せて、まだ見ぬ読者のもとへ届ける冒険です。

      この記事を読んで、本を開くときに「この本にはどんな人の想いが詰まっているんだろう?」と少しでも想像してくれたら嬉しいです。そして、もし君の中に「伝えたい!」という熱い気持ちがあるなら、君も未来の編集者、未来のライターの才能を持っているのかもしれません。

      関連書籍

       

      身近な仕事について考えてみよう!

      • 仕事のことを通じて学んだこと、楽しかったこと、難しかったことを書いてみましょう。
      • テーマについての新しい発見や、自分が感じたことをまとめます。
      • 今後、さらに調べてみたいことや、他の人に教えたいことがあれば、それも書いてみましょう。

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